公開後 10年以上、立ちましたので、
リニュアルしました。2018/03/01

手作り CDI
HT- Rocket

      


考察 実験結果 調査 報告 など


回路 抵抗 ついて



ピックアップよりの100オームの抵抗は、MTX125Rの場合 3Kオームでも動作可能でした。
3Kオーム 取り付けますと、低回転域ではおとなしくなります。
製作する場合、ピックアップコイルも幾種類もあるようですので、発生電圧も違います。 ピックアップコイルの特性を調べて、ピックアップコイルと直列の100オームの抵抗を変える必要があると思います。
簡易型 「進角抑制回路」?
取り付け試運転した結果、ノーマルのMTX125Rに戻りました。
原理はピックアップの信号の電圧の高いところをだけ、タイミング信号として使用。
その結果 進角の量が変わったのか、あのロケット加速は無くなりノーマルになりました。
方法は簡単、LED 3個を直列に繋ぎ、ピックアップとフォトカプラの間にいれるだけです。


コンデンサについて
MTX125Rの場合 ジェネレータが1回転で約4サイクル出ているようです。(の内1サイクルは死んでいる 回路上のタイミング)
したがって、C1のコンデンサの容量は、もっと小さい容量のものですむはずなので 0.1uFにしてみました。
始動時の掛りぐあいに、影響あるような感じです。
ほかの 影響については、調査していません。
C1 C2のコンデンサの容量で、性能が変わると思います。




ピックアップについて
ピックアップは交流を発生させ、プラスとマイナスと側に、1回転に2箇所タイミングが発生します。
ホンダのサービスマニアルの図面にも極性が反対に描かれてあり、
CDI内で信号を選択して、使用しているように思えます。
ピックアップコイルも幾種類もあるようですので、特性を調べてください。

進角について
この回路で採用されている進角装置は、波形進角呼ばれるらしいです。
80年代中期までの物は、アナログ電子進角と呼ばれ
特定の回転数においてのみ点火時期を進ませたり、遅らせたりといった制御は不可能である。
波形進角はピックアップコイルの特性によるものが多いと思います。
ピックアップコイルの波形

  この波形はネットより
  拝借しました。
右の波形は、ピックアップコイルの信号を半波整流した波形です。
低回転時のピックアップコイルの波形と、高回転時のピックアップコイルの波形を比べて、赤の矢印の長さが違います。
これが波形進角です
短くなった分、点火時期が進んだことになります。
    
      低回転時の波形( イメージ)

    
      高回転時の波形( イメージ)




2V/DIV
1ms/DIV



波形進角の説明

左図 
速度に変化があった時の3回転分の波形です。
点火タイミングの 時間(周期)が短くなり それと同時に電圧が上がっているのが分かります。

Aは 速度変化による、点火タイミングの周期変化。0.7mS
Bは速度変化による、回転の周期変化。0.5mS
CはフォトカプラがONすると仮定した電圧。3.2V
進角抑制回路でLED 1個使用で3.2V

 回転が上がれば当然回転の周期は変化します。
しかし 進角などが発生しなければ、AもBも同じ値のはずですです。
左のオシロを見ると、BよりAの方が長くなっている事が分かりますね。
その差が回転速度による、進角の差に相当します。

Cの電圧を下げると、AとBの差が減ることが分かります。
低回転から進んだ状態で、高回転になっても進角の差は少ないことになります。
 
Cで フォトカプラがONすると仮定した条件下で、Bの変化0.5mSより割り出し、1500rpmから 1700rpmに変化した時の物と仮定して、どけだけ進角したか計算してみました。
AとBの差が0.2msですので、1700rpmでの周期は35.3msです。
よって、進角は 200rpmの変化で、約2度進んだ事になります。

補足、波形により、どんな場合でも5度以上変化は無いので、最高5度までの進角変化です。


              
 rpm  波形進角  タイプ②
 ディレイ(角度) 
実行進角
1300 19 0 19.0
1400 19.5 0.185 19.31
1500 21 0.37 20.63
1700 22 0.74 21.26
2000 23 1.3 21.70
3000 24 3.14 20.86
4000 24 5.0 19.0
5000 24 6.84 17.16
6000 24 8.75 15.25
7000 24 10.6 13.4
8000 24 12.45 11.55
9000 24 14.3 9.7
 







サービス マニュアルからの 情報によると 進角だけでなく遅角をも 採用している様である。
1300rpm BTDC19度
6000rpm BTDC15.3度
遅角始め回転数4000rpm
この情報通りだと 進角制御(遅角のタイプ②の様に積分回路を付ければ似た様な値が出せます。

しかし これは必要あって遅角にしたのか、それともノイズ対策で入れたコンデンサの時定数の関係で、そうなってしまったのかは不明です。
と言う事なので、 
フォトカプラがONすると仮定した電圧3.2V
最高5度の波形進角
1300rpm BTDC19度
6000rpm BTDC15.3度
遅角始め回転数4000rpを条件に合わせてディレイ(固定CR)の量を合わせて 数字だけ出してみました。
黄色の実行進角が エンジンに対しての進角となります。
実測値ではありません。


波形を観測してみました。




2V/DIV
5ms/DIV
周期 40ms
1500rpm
抵抗 82オームを ピックアップに並列に入れると
インピーダンスが下がり電圧3V程度しか出ませんが
 ノイズは綺麗に消えています。

この状態で試乗してみました。
吹き上がりが 少し鋭さが欠けます。
同じアクセルワークで 7000rpmまで回ったものが5000rpm位でした。

ノイズで点火時期が乱れお困りの場合
試してください。
良い結果が出る場合もあります。





2V/DIV
5ms/DIV
周期 25ms
2400rpm
抵抗なし
回転を上げてみました。
ビックアップの電圧は6Vに上がっています。

    



2V/DIV
2ms/DIV
周期 40ms
1500rpm
2ms/DIVにして 見たものです。
多分1.6V付近に不均一の部分がありますのが
フォトカプラがオンした電圧と思います。
したがって1.5V以下のノイズは フォトカプラによって
除去されています。





2V/DIV
1ms/DIV
周期 40ms
1500rpm
1500rpmにおいて
HT-ROCKETはフォトカプラのON時間が約2msで
18度に相等します。





2V/DIV
1ms/DIV
周期 25ms
2400rpm
波形が2重3重になっているのは
シャッター間に2から3回波形が描かれた為です。
エンジンの微妙な遅れ進めが現れています。






2V/DIV  0.5ms/DIV
周期 25ms  2400rpm
2400rpmにおいて
HT-ROCKETはフォトカプラの
ON時間が約2msで36度に相等します。
回転が上がれば立ち下がりが悪いようです。
2008/03/09
ピックアップの2本の線間に500オームの抵抗を入れれば 対ノイズ性良くなり 第一波 第二波間の ウェーブはなくなりましたが、第一波 第二波間の電圧も下がりますので、波形進角に影響でそうです。
またこの回路はフォトカプラーを使用しているので 1.8V以上の ハイインピーダンスによるオシロで表されるノイズは、消えると思います。 

イグニッションコイルの波形を観測

イグニッションコイル 1次側の波形



この波形は サイリスタがONした時に点火コンデンサC2から
サイリスタを通ってアースEに落ち イグニッションコイルの
一次側を通る向きに電流が流れる。
次に一次側コイルからアースEを通ってダイオードD1 D2を介して
点火コンデンサC2方向に電流が交互に流れて、
交流波形が発生する。
そして二次側で 高圧になり火花を発生させる。 


  • A  放電波形収束までの時間
  • B  放電開始の初めの 1サイクル
  • C  放電波形ピーク電圧
  • D  2サイクル目のピーク電圧
収束までの時間(A) 200us  5サイクル
イグニッションコイル 一次側コイル間電圧
           
          C電圧     D電圧
  1500rpm    200V    100V
  3000rpm    300V      150V
  5000rpm    200V      100V
  7000rpm    150V      75V
 
 回転を上げていくと 上記の様に変化します。
 収束までの時間(A) 200us  5サイクルは変化なし。


また 
イグニッションコイルの種類においても、波形が異なります。
開磁型、閉磁形、と種類も在りますのて、いろいろ、試してください。
  
イグニッションコイルの波形を詳しく書いてあるサイトへ
http://park14.wakwak.com/~publica/cdi_ans.htm#CDI_2sto
 



2017/08/15
 自作CDIの高圧部電圧測定記録


今回シートを外す機会が在りましたので、CDIに接続されている機器の状態チェックすると同時に電圧などを測定しました。
測定方法は、倍電圧状態と、ノーマルのコンデンサ 1個タイプとの二通り、1500rpmから7000rpmまで、それ以上は、ふき上りが激しく回転が安定しない為、電圧を読めませんので7000rpmまでとしました。
測定箇所は、SCRのアノード側とアース間。
もう一つは、エキサイターコイルの(ジェネレータ)両端です。
下記の図に示すように、倍電圧状態と、ノーマルのコンデンサ、1個タイプの切り替えは、C1コンデンサの両端を短絡さす
スイッチを増設しての測定ですので、取り替えなどによる外部要因はありません。

測定はノーマルのコンデンサ、1個タイプにおいて(C1コンデンサの両端を短絡さすスイッチを ON) して測定
3000rpmからSCRのアノード、E間 200V程度から徐々に降下が発生しています。
これなら400Vのコンデンサでも問題が在りません。
ジェネレータの電圧も各回転いきにおいて約200V定電圧に成っていました。
次にコンデンサ 2個の倍電圧タイプにおいて(C1コンデンサの両端を短絡さすスイッチを OFF)
MTX125Rの場合ですけれど3000rpmから4000rpmで( SCRのアノード、E間 、ジェネレータの電圧とも)
電圧は450Vに成りそれ以降は降下しています。




C1のコンデンサをカットする為SW
増設した回路




と 言う訳でデータを取ってみました。
データを取る為の条件
C1 C2のコンデンサは 0.68uF並列に追加変更する。
記録 各コンデンサの組み合わせで回転数は500rpm置き。
068uFのコンデンサを並列に増設し、C1 C2のコンデンサの容量も1.38uFにできる様にする。
測定箇所は エキサイターコイルの(ジェネレータ)両端と SCRのアノード、E間の電圧

C1 C2共 0.68uF
C1 : 1.36uF  C2 :0.68uF
C1 : 0.68uF  C2 :1.36uF
C1 C2共 1.36uF

ノーマルCDIのコンデンサ、一つタイプにも切り替えで、

C2のみ 0.68uF
C2のみ 1.36uF

グラフにして見ました。
結果は以下の通りです。

計測の誤さ

電圧はテスターで電流は クランプメータで計測しました。
ある程度、誤差はあると思いますが、測定比は変わらないと思います。




 エキサイターコイルの(ジェネレータ)の測定結果の所見

  測定箇所は エキサイターコイルの(ジェネレータ)両端
  1. C1 C2共 0.68uF  、3500rpmで 瞬時450Vまで上がっています。その後下がっていますが、375V程度安定しています。
  2. C1 : 1.36uF  C2 :0.68uF 、 3000rpmで270V程度で以後降下して 200V弱まで。
  3. C1 : 0.68uF  C2 :1.36uF 、 これも電圧が高いですね、 3500rpmで 瞬時 380Vまで上がっています。
  4. C1 C2共 1.36uF 、  2500rpmで250V程度、4000rpm以上、ノーマルと変わらない。
  5. C2のみ 0.68uF 、 6000rpm までは、160Vと安定しています、以降 7000rpmjで120Vまで少しづつ下がっています。
  6. C2のみ 1.36uF 、 0.68uFに比べ少し電圧は下がるものの、 低速域においては余り変化はありません。
   
 



 イグニッションコイルの印加電圧の測定結果の所見
 こちらの 電圧はイグニッションコイルの印加電圧と同じです。
 測定箇所は SCRのアノード、E間の電圧
  1. C1 C2共 0.68uF 、3000から3500rpmで 500Vまで上がっています。その後下がって200V程度まて゛下がります。
  2. C1 : 1.36uF 、 C2 :0.68uF これも C1 C2共 0.68uFと似た様な物です。 余り効果は無い見たいです。
  3. C1 : 0.68uF 、 C2 :1.36uF 3000から3500rpmで 400Vまで上がっています。4000rpm以上は下がっています。
  4. C1 C2共 1.36uF 2500rpmで、400Vまで上がっています。4000rpm以上は下がって コンデンサ1個タイプと似た様な電圧です。
  5. C2のみ 0.68uF 、200V位から70V位まで徐々に下がっています。
  6. C2のみ 1.36uF 、160V位から50V位まで徐々に下がっています。


各回転に置ける イグニッションコイル一時側の電流を測定してみました。

イグニッションコイルの一時側に流れている電流の測定結果の所見
 
  1. 倍電圧では、どの組み合わせも似た様なものです。
  2. コンデンサ1個タイプに比べ 電流は4倍になっています。
  3. 回転が上がったら 電流も増えるはずですが、ジェネレータに限界があるのか電流は増えていません。



各回転数に置けるジェネレータの電流を測定してみました。

エキサイターコイル(ジェネレータ)の一時側に流れている電流の測定結果の所見
  1. 回転が上がったら 電流も増えるはずですが、ジェネレータに限界があるのか電流は増えていません。
  2. ノーマルのCDIは半波をショウトしているので、多いのではないだろうかと思っていましたが。
    ジェネレータが貧弱の為か、どれもあまり変わらない様です。
 結論 MTX125R場合
 これらの 計測結果から
  1.  C1 : 1.36uF  C2 :0.68uFは C1 C2共 0.68uFに比べて、ジェネレータの電圧抑制位の効果です。
  2.  C1を大きくすればエキサイターコイル(ジェネレータ)の電圧は下がる。最高でも250Vまで。
  3.  倍電圧で、C2を 1.36uFに、すればイグニッションコイルの印加電圧は 最高400V程度になる。
  4.  電圧的に言えばC1: 0.68uF  C2 :1.36uF もしくは C1 C2共 1.36uF か良さそうだ。
  5.  電流的にも、C1: 0.68uF  C2 :1.36uF もしくは C1 C2共 1.36uF か良さそうだ
  6.  回転が4000rpm辺りをピークに電圧降下しているのは、エキサイターコイルの発電量に限界があると言う事になる。 
  7.  倍電圧を使うと、明らかに始動性が良い、よって 掛かりにくいエンジンや、チョークを引いた時のみ倍電圧を使う手もある。(SWによる切り替えを作る必要あり。)
  8.  全域において高電圧が必要だが、500Vは高すぎると言った場合、 C1 :1.36uF  C2 :0.68uFにして、高電圧部に400Vをカットする素子を付けても良い。
  9.  又は ブート 押し釦SWを設け、必要な時に使用するのも良いかも。
 
 疑問
なぜ 倍電圧にしたら エキサイターコイル(ジェネレータ)の電圧が上がるか。
又 ノーマルのCDIの様に、D1のダイオードを付ければ、エキサイターコイルの電圧が変動しにくいのか。


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簡易進角(進角制御)にする回路

MTX125R 回路
(配線図) 

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 語句、部品の説明
語句、部品調達で悩んだとき

製作して後に、困った時
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注意事項
感電に注意してください。
スパークプラグの放電で感電すると、命にかかわることがありますので、くれぐれも、スパークブラク゛に触れたまま、エンジンを掛けたり、キックスタータを踏まないでください。
コンデンサにも 電気が蓄えられていますので、通電後 電気を切っていても、感電することがあります。
コンデンサを放電させた後に触る方が、感電の危険はありません。
コンデンサを放電方法は、コンデンサの両極を ショートさせればOKです。

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