CDI の動作原理
発電をエネルギーを得る方法に大きく分けて二通りの方法があるが
ここではフライホールの回転発電をエネルギーとするマグネト方式で説明します。
- 50Vから300V近くまであがったジェネレータ(発電機)で作られた電気を、ダイオ-ドで整流。
- コンデンサに充電する。
- 点火タイミングをビックアップ (パルサ)で検出信号を、CDI ユニットに送る。
- ピックアップ (パルサ)の信号を SCRのゲートが受取り SCRを ONする。
- コンデンサに蓄えてあった電気を一気にSCR通して放電
- コンデンサとイグニッションコイルの1次側がつながっているので、1次コイルに通電され電流が流れる。
- 1次側より2次側の方がコイルを沢山巻いてあるので、2次側に巻数比倍の高圧電圧を発生して、スパークプラグを点火さす。
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CDI の長所と短所
長 所
- プラグに、かぶりが生じ安い2サイクルエンジンには、無接点式CDI 点火方式が 良い。
- 省エネ。
- 無接点式CDI なら、ポイントの調整不要。
短 所
- スパーク時間が短い 数十年後には劣化する。
- つぶれやすい、2回潰れた。 1回目は保障期間中に高回転まで上がらない。 CDI
取替え 2回目の故障はエンジンが掛からなくなった。
- 今回の様に製造中止になれば、修理が困難 。 デジタルCDI
なら お手上げ( 私の場合)
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自作オリジナル CDI の製作
用意する物
- 基板 50*60位のもの バイクの為、大きさに制限があるため。 約100円
- SCR 600V以上 8アンペア以上の物 東芝 SF8JZ47(廃番)など 小さい物だと、すぐに潰れる為。 約250円
東芝 SF8JZ47(廃番)の代替として、SF10JZ47やSCF25C60で製作可能と言う報告が有ります。注
- トランジスタ 2SC1000または 2SC1815 などの汎用品 30円
- コンデンサ 630V 0.47uF 2個 500円 1uFに変更(2008年2月)
- セラミックコンデンサ 25 V 以上 0.01uF
2個 三端子レギュレータの 発振防止 約40円
- フォトカプラ 1個 シャープ PC817など 汎用品 ノイズフィルター兼 絶縁の為使用 極性変更が容易 約100円
- LED 2個 20円 安物タイプ(1.8Vで点灯タイプ) (高照度LEDなどの3.5Vないと点灯しないLEDの場合は、1個でOKです。) SCF25C6を使用する場合、安物タイプLEDが1個の方が良いかも・・・
- ダイオード 1000V 2A以上物 3個 約90円
- 三端子レギュレータ 5V用 1個 7805 100円
- 抵抗 1/4W 100オーム 1.2Kオーム 3個 3Kオーム 約25円 SCF25C6を使用する場合3Kオームの抵抗は1.2Kオームにした方が良さそうです。
- 半田ごて
- プラッチックケース 約100円
- 電線
- 電解コンデンサ 25V 1000uFと470uF程度を 約40円 脈流防止の為 三端子レギュレータ OUT側に追加 (2015/3/31)
何万円もするCDIも部品で言えば、このくらいのものです。
製作する場合、特殊部品を使っていません、部品各社同じようなものを出していますので、同等品でお買い求めいただくと、手に入り安くなります。
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作業手順
- バイクのシートと タンクをはずし、CDI ユニットを取り出す。
- テスターで ピックアップ、イグニッションコイル、ジェネレータ(発電機)
に、異常無いか調べる。
- イグニッションコイルは テスターの抵抗レンジで、一次側 二次側のコイルが断線していないかを調べる。 ちなみにMTX125Rのイグニッションコイルは 一次側の抵抗は 0.2から0.4オーム 二次側は3.5から4.5キロオーム
です。
- ジェネレータ(発電機) キックしてテスタで電圧が出ているかを調べる。 キックスタートを踏むことで、50Vもあれば OK。
- ランプ類用発電機はバッテリーを外し、キックして12V有れば、発電機はOK。
- ピックアップ は テスターの抵抗レンジで、導通があれば、LEDのみをつないでキックスタートを踏む、瞬時点灯すればOK (ピークホルド付きの電圧計やオシロスコープが無い場合でもOK。)
- ピックアップ(パルサ)の電圧が低くLEDが点灯しなければ フォトカプラを用いたこの回路は使用できない。 回路変更必要。
- 壊れたCDI ユニットのソケット部だけを取り外し、ソケットの端子に電線を半田付しておく、後で自作のCDI
ユニットと接続するため。
- 図面通りに、CDI ユニットの回路を基板上に作り上げる。
- CDI 回路図にあるいくつかのアース部分は、一まとめにして 一点で車体アースする。ソケット部にアースの線出ている場合その線にアースしてもOK。
- CDI ユニットと、壊れたCDI ユニットのソケット部だけを、取り外したソケットと接続。
- 自作CDI ユニットをバイクに取り付ける。 接続
- スイッチを入れ、キックしてスパークしているのを確認する。 感電注意
- 上手く掛かれば、まず合格、エンジンの回転を上げて確認。
- ピックアップには極性があるので、上手く掛からなかったり ケッチンが酷いなど、動きがおかしければ、2本の配線を入れ替えてみてチェックする。
スパークするがタイミングが異なるため、エンジンがうまく回らない。
因みに、このエンジンは 第2波(マイナス側)が点火タイミングの様ですので、ピックアップはサービスマニアルの図面と反対に繋いでいます。
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シート 取り外し
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シート タンク 取り外し
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自作CDI 回路図
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CDI 回路図の説明
キックスタータをキックすることで、発電機が回り 50V以上の電圧が発生して、C1のコンデンサを通り、ダイオードで整流された後、C2のコンデンサに充電される。
この事によって 発電機の電圧が2倍になり より強い電力がC2のコンデンサに充電される。
次に、点火タイミングに来た時、ビックアップ (パルサ)が、交流の電気を発生さす。
それを、フォトカプラを通して出来た半波の信号を、トランジスタで増幅して、SCRのゲートを ON、SCRはONになり、アノードよりカソードに電流が流れ、C2のコンデンサを放電、コンデンサと直列に接続しであるイグニッションコイルに通電、イグニッションコイルの2次側に高圧電圧発生して、スパークプラグに火花を発生さす。
そのときアース側がプラスになり、コンデンサと繋がれているイグニッションコイル側がマイナスとなります。
5Vのレギュレータは、SCRの ゲートに5ボルト以上の電圧を掛けない為と、トリガー回路を安定化さすために使用します。
本田純正CDI と違って 12V電源が必要ですので、バッテリーからでも取ってください。(停止時の消費電力は 5mA以下と思います。)
D3のダイオードはキルスイッチでアースにつなぐ事で回路自体の電圧を0Vにしてスパークを止める。
フォトカプラを使用した理由は、ビックアップの極性を自由に変えられることと、 アイソレート(絶縁) しているので、高圧部と直接触れないことで、ノイズ対策兼、ピックアップの保護を目的で使用。
LED は 点火タイミングの動作確認と、電圧降下用で、2個直列に使用することで 約3V程度降下さす。 SCRの保護が目的。 |
この回路はトリカ゛回路で微分回路を作っていません。
半波整流されたパルサの信号の 上部の一部をそのまま利用していますので、必要ないと判断して作りませんでした。
基本回路中のトリガ回路には コンデンサを使用していません。これは時定数による遅れをなくすためです。
回転が速くなるに従って、影響が出ると判断しました。
進角については、ピックアップコイルに発生する電圧が、回転とともに上昇しますので、回転が上がれば、トリガの発生電圧が早やまり、その分が進角に相当します。
MTX125Rでは最高5度程度、どの程度効果が出るているかは不明です。
電源12Vがこの回路には必要ですが、バッテリが上がると始動不可能ではないでしょうか?とメールでよく質問されます。
MTX125Rに関しましては、バッテリが上がっていてもキック時の発電で補えます。
このCDI に必要な電圧は8V以上ですし、電流も20mA程度なので、バッテリか上がってニュートラルランプすら点灯しなくても キックしたとき、ニュートラルランプが少しでも点灯すれば、(発電機が壊れていない)
エンジンは掛かります。
余談ですが 私のMTX125Rは30年以上もバッテリーが上がりりぱなしでバッテリの機能はありません。
そこで ウインカーなどの電源を安定化したい為に 電解コンデンサ22000uF並列に入れてあります。
その結果 コンデンサが充電する間スパークが遅れますが 電解コンデンサ22000uF程度では、充電時間が ごく短いため、始動には問題はありません。
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ホンダ純正CDIより
取り外したコネクター
と
自作CDI 基盤
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手作りCDIをケースに入れました
2サイクル.オイルのタンク上とシートの間に、スペースがあるので、そこに取り付けました。
(図右下)
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CDIの ジョイント部
コネクターが タンクの下にあります。
取り外し時、タンクを脱着しなければならないので、シート下まで 引き出しました。
これでCDIのメンテナンスも簡単に出来ます。 |
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手作りCDI 性能と評価
キック一発始動
レッドゾーンまで スムーズに上昇。
オリジナルCDI より始動性が良い。
あまり回るので、回し過ぎて 1号機は回路破損、素子の耐圧などを設計変更。
SCRは東芝 SF8JZ47などでよいと思うのですが、私は手持ちの大型SCRがあったので、それを使かいました。
SCRの発熱が気になる場合、放熱板を取り付ける必要あり。
プラグの焼け具合も 燻りが無い為か良好です。
SCRは東芝 SF8JZ47(廃番)、SF10JZ47やSCF25C60
では放熱板は不要です。
ほとんど発熱しないとの報告が在ります。
評 価
85点と言うところでしょうか。
GOOD です。
理由あって ホンダお客さま係りに 再度TELして 成功した事を伝えると、
よく出来ましたね、出来る人は少ないですよと言っていました。
ほんまかいな。
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自作CDI を 取り付けました。
取り付けてエンジンを掛けてみました。
YOU TUBE
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回路 抵抗 ついて
ピックアップよりの100オームの抵抗は、MTX125Rの場合 3Kオームでも動作可能でした。
3Kオーム 取り付けますと、低回転域ではおとなしくなります。
製作する場合、ピックアップコイルも幾種類もあるようですので、発生電圧も違います。 ピックアップコイルの特性を調べて、ピックアップコイルと直列の100オームの抵抗を変える必要があると思います。
簡易型 「進角抑制回路」?
取り付け試運転した結果、ノーマルのMTX125Rに戻りました。
原理はピックアップの信号の電圧の高いところをだけ、タイミング信号として使用。
その結果 進角の量が変わったのか、あのロケット加速は無くなりノーマルになりました。
方法は簡単、LED 3個を直列に繋ぎ、ピックアップとフォトカプラの間にいれるだけです。
コンデンサについて
MTX125Rの場合 ジェネレータが1回転で約4サイクル出ているようです。(の内1サイクルは死んでいる 回路上のタイミング)
したがって、C1のコンデンサの容量は、もっと小さい容量のものですむはずなので 0.1uFにしてみました。
始動時の掛りぐあいに、影響あるような感じです。
ほかの 影響については、調査していません。
C1 C2のコンデンサの容量で、性能が変わると思います。
改造したら良い点 ガッテンのいかない点 上手くいかない など有りましたら・・・
掲示板まで
また最新報告が、書かれていますので、 製作される場合は 必ず見ください。
完成度を高めていきたいと、思っていますので、どんどん書き込んでください。
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自作CDI HPのメニュー
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最新情報 2009/09/14 点火時期が高回転で乱れる場合 ピックアップに並列に抵抗いれる。 抵抗を入れない場合 ノイズ発生し点火タイミングが乱れる。
* 並列抵抗 ピックアップ(パルサ)に並列に抵抗いれる抵抗 標準では無し。 ピックアップに並列に抵抗いれると インピーダンスが下がり第一波。 第二波共に電圧降下するため、ノイズ低減につながる。
* 直列抵抗 ピックアップと フォトカプラ間に 直列に入っている抵抗 標準では100Ω 大きくすると 始動困難になる。. ブランコチンコーニさんの投稿図面一部拝借
エンジン点火制御における点火特性を向上するためには、イグニッションコイルの一次インダクタンスを大きくして火花の持続時間を長くするなどの方法がある。http://www.patentjp.com/08/O/O100163/DA10016.html より 無料の電子回路シミュレータCircuitMakerを使って、HT-Rocketを回路シミュレートしてみました。 2013/07/1 バッテリより電源を取っている場合問題はないと思いますが、いろんな場所より電源を取られている場合 脈流の為か 性能に不具合があると言う報告が有ります。 解消方法として 5Vレギュレータ出口に25V 1000uF程度の電解コンデンサを取り付けると脈流がなくなります。 そして このコンデンサを入れたことによって不具合かなくなったと言う報告が有ります。 安い部品だし 標準で25V 1000uFと470uF程度を 7805レギュレータの INとOUT付近に追加しておいても良いと思います。 フォトカップラの発光ダイオードの逆耐圧は5V程度ですので 逆方向にダイオードを入れてください。この図は ひでさんより提供 東芝 SF8JZ47(廃番)の代替として、SF10JZ47やSCF25C60で製作可能ですが、 SCF25C60の様な、大容量SCRを使用した時、SCRの特性により、SCRをドライブできない場合があります。 その場合 SCRのゲートに繋がれている3Kの抵抗を1.2Kに小さくすればOKと言う報告があります。 東芝 SF8JZ47 SF10JZ47 ゲート トリガ電圧 VGT ― ― 1.0 V ゲート トリガ電流 IGT ― ― 10 mA SCF25C60 ゲート トリガ電圧 VGT ― ― 1.5 V ゲート トリガ電流 IGT ― ― 15 mA
変更 修正 2008年2月自作CDI回路の C1 C2のコンデンサを 0.47uFから 1uFに2個とも取り替える。
結果 乗り安く成り、全域にパワーがあるような感じです。 こちらの方がお勧めかも知れません。
注意事項
感電に注意してください。
スパークプラグの放電で感電すると、命にかかわることがありますので、くれぐれも、スパークブラク゛に触れたまま、エンジンを掛けたり、キックスタータを踏まないでください。
コンデンサにも 電気が蓄えられていますので、通電後 電気を切っていても、感電することがあります。
コンデンサを放電させた後に触る方が、感電の危険はありません。
コンデンサを放電方法は、コンデンサの両極を ショートさせればOKです。
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免責
自己責任でお願いします。
私の実験結果ですので、全てにおいて上手くいく保証されるものではありません。
間違いもあるかもしれません。
この情報に基づいて被ったいかなる損害についても、
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