2017/08/15
 自作CDIの高圧部電圧測定記録


今回シートを外す機会が在りましたので、CDIに接続されている機器の状態チェックすると同時に電圧などを測定しました。
測定方法は、倍電圧状態と、ノーマルのコンデンサ 1個タイプとの二通り、1500rpmから7000rpmまで、それ以上は、ふき上りが激しく回転が安定しない為、電圧を読めませんので7000rpmまでとしました。
測定箇所は、SCRのアノード側とアース間。
もう一つは、エキサイターコイルの(ジェネレータ)両端です。
下記の図に示すように、倍電圧状態と、ノーマルのコンデンサ、1個タイプの切り替えは、C1コンデンサの両端を短絡さす
スイッチを増設しての測定ですので、取り替えなどによる外部要因はありません。

測定はノーマルのコンデンサ、1個タイプにおいて(C1コンデンサの両端を短絡さすスイッチを ON) して測定
3000rpmからSCRのアノード、E間 200V程度から徐々に降下が発生しています。
これなら400Vのコンデンサでも問題が在りません。
ジェネレータの電圧も各回転いきにおいて約200V定電圧に成っていました。
次にコンデンサ 2個の倍電圧タイプにおいて(C1コンデンサの両端を短絡さすスイッチを OFF)
MTX125Rの場合ですけれど3000rpmから4000rpmで( SCRのアノード、E間 、ジェネレータの電圧とも)
電圧は450Vに成りそれ以降は降下しています。




C1のコンデンサをカットする為SW
増設した回路




と 言う訳でデータを取ってみました。
データを取る為の条件
C1 C2のコンデンサは 0.68uF並列に追加変更する。
記録 各コンデンサの組み合わせで回転数は500rpm置き。
068uFのコンデンサを並列に増設し、C1 C2のコンデンサの容量も1.38uFにできる様にする。
測定箇所は エキサイターコイルの(ジェネレータ)両端と SCRのアノード、E間の電圧

C1 C2共 0.68uF
C1 : 1.36uF  C2 :0.68uF
C1 : 0.68uF  C2 :1.36uF
C1 C2共 1.36uF

ノーマルCDIのコンデンサ、一つタイプにも切り替えで、

C2のみ 0.68uF
C2のみ 1.36uF

グラフにして見ました。
結果は以下の通りです。

計測の誤さ

電圧はテスターで電流は クランプメータで計測しました。
ある程度、誤差はあると思いますが、測定比は変わらないと思います。




 エキサイターコイルの(ジェネレータ)の測定結果の所見

  測定箇所は エキサイターコイルの(ジェネレータ)両端
  1. C1 C2共 0.68uF  、3500rpmで 瞬時450Vまで上がっています。その後下がっていますが、375V程度安定しています。
  2. C1 : 1.36uF  C2 :0.68uF 、 3000rpmで270V程度で以後降下して 200V弱まで。
  3. C1 : 0.68uF  C2 :1.36uF 、 これも電圧が高いですね、 3500rpmで 瞬時 380Vまで上がっています。
  4. C1 C2共 1.36uF 、  2500rpmで250V程度、4000rpm以上、ノーマルと変わらない。
  5. C2のみ 0.68uF 、 6000rpm までは、160Vと安定しています、以降 7000rpmjで120Vまで少しづつ下がっています。
  6. C2のみ 1.36uF 、 0.68uFに比べ少し電圧は下がるものの、 低速域においては余り変化はありません。
   
 



 イグニッションコイルの印加電圧の測定結果の所見
 こちらの 電圧はイグニッションコイルの印加電圧と同じです。
 測定箇所は SCRのアノード、E間の電圧
  1. C1 C2共 0.68uF 、3000から3500rpmで 500Vまで上がっています。その後下がって200V程度まて゛下がります。
  2. C1 : 1.36uF 、 C2 :0.68uF これも C1 C2共 0.68uFと似た様な物です。 余り効果は無い見たいです。
  3. C1 : 0.68uF 、 C2 :1.36uF 3000から3500rpmで 400Vまで上がっています。4000rpm以上は下がっています。
  4. C1 C2共 1.36uF 2500rpmで、400Vまで上がっています。4000rpm以上は下がって コンデンサ1個タイプと似た様な電圧です。
  5. C2のみ 0.68uF 、200V位から70V位まで徐々に下がっています。
  6. C2のみ 1.36uF 、160V位から50V位まで徐々に下がっています。


各回転に置ける イグニッションコイル一時側の電流を測定してみました。

イグニッションコイルの一時側に流れている電流の測定結果の所見
 
  1. 倍電圧では、どの組み合わせも似た様なものです。
  2. コンデンサ1個タイプに比べ 電流は4倍になっています。
  3. 回転が上がったら 電流も増えるはずですが、ジェネレータに限界があるのか電流は増えていません。



各回転数に置けるジェネレータの電流を測定してみました。

エキサイターコイル(ジェネレータ)の一時側に流れている電流の測定結果の所見
  1. 回転が上がったら 電流も増えるはずですが、ジェネレータに限界があるのか電流は増えていません。
  2. ノーマルのCDIは半波をショウトしているので、多いのではないだろうかと思っていましたが。
    ジェネレータが貧弱の為か、どれもあまり変わらない様です。
 結論 MTX125R場合
 これらの 計測結果から
  1.  C1 : 1.36uF  C2 :0.68uFは C1 C2共 0.68uFに比べて、ジェネレータの電圧抑制位の効果です。
  2.  C1を大きくすればエキサイターコイル(ジェネレータ)の電圧は下がる。最高でも250Vまで。
  3.  倍電圧で、C2を 1.36uFに、すればイグニッションコイルの印加電圧は 最高400V程度になる。
  4.  電圧的に言えばC1: 0.68uF  C2 :1.36uF もしくは C1 C2共 1.36uF か良さそうだ。
  5.  電流的にも、C1: 0.68uF  C2 :1.36uF もしくは C1 C2共 1.36uF か良さそうだ
  6.  回転が4000rpm辺りをピークに電圧降下しているのは、エキサイターコイルの発電量に限界があると言う事になる。 
  7.  倍電圧を使うと、明らかに始動性が良い、よって 掛かりにくいエンジンや、チョークを引いた時のみ倍電圧を使う手もある。(SWによる切り替えを作る必要あり。)
  8.  全域において高電圧が必要だが、500Vは高すぎると言った場合、 C1 :1.36uF  C2 :0.68uFにして、高電圧部に400Vをカットする素子を付けても良い。
  9.  又は ブート 押し釦SWを設け、必要な時に使用するのも良いかも。
 

 疑問

なぜ 倍電圧にしたら エキサイターコイル(ジェネレータ)の電圧が上がるか。
又 ノーマルのCDIの様に、D1のダイオードを付ければ、エキサイターコイルの電圧が変動しにくいのか。

免責
自己責任でお願いします。
実験測定結果ですので 全てにおいて保証されるものではありません。
間違いもあるかもしれません。   たぶん有ります(笑)
この情報に基づいて被ったいかなる損害についても、
当方は 一切責任を負いかねます。


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